生体センシング×VR

ジャパンディスプレイは、タッチパネルなどの基礎技術を指紋センサなどの生体センシングデバイスに応用しながら、ディスプレイ分野から事業エリアを拡大してきています。今回のコラムでは、生体センシングとVRとを組み合わせることでVRの世界をより楽しむアイデアをご紹介します。
   

JDIでの生体センシング×VRの取組み

 新型コロナの影響を受けた社会的な価値観の変化や、今後のメタバースの広がりとともに、VR空間の中でも生体センシングとVRを組み合わせた深いコミュニケーションができるような応用が広がっていくと考えられます。

 ジャパンディスプレイでは、お客様のニーズに応じたVR視聴環境の構築、ハードウェア、ソフトウェアの設計を得意としております。「生体センシングとVRを組み合わせてこんなことをしてみたいが、どう進めたらよいのかわからない」「生体センサを活用しており、VRとも組み合わせてみたいがVRは全くわからない」など、まずはお困りごとやご興味などをご相談いただければ最適なご提案をいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

生体センシング

 生体センシングとは、生体センサで、脈拍や呼吸、体温、血圧などの生体に関するデータを取得することを指します。昨今、生体センサを備えたスマートウォッチが普及してきており、生体データの活用に注目が集まっています。これらのスマートウォッチの多くには、脈拍センサや加速度センサが内蔵され、日常での心拍数や歩数、活動量などを計測することができます。
機種によってはGPS機能でランニングルートと走行時間や、睡眠レベル、ストレスレベル、呼吸数等が記録できるようなものがあります。
 
一部のスマートウォッチメーカーではAPIやSDKを公開しており、生体データを取得し、実社会に生かす取り組みが増えてきています。生体データをVRの世界に取り込むことで、VRコンテンツをより魅力的にすることも可能です。具体例を幾つか紹介したいと思います。

生体センシング×VRの将来(医療応用)

医療者不足や、高齢患者が家と病院との移動困難などの課題を解決するための一つの方法として、遠隔診療の取組みがあります。現在は、ビデオ通話がメインで、詳細な検査は困難ですが、将来的には複数の生体センサを身に着けることで、VR空間の中で医師による細かい診療ができる世界がくるかもしれません。ジャパンディスプレイが開発するVRコンテンツと生体データの連携についても技術開発が進んでおり、訓練中の生体データの記録、アウトプットへの影響計測、熟練度との相関等有用なデータ化を目指して開発を進めております。

感情の可視化(ゲーム応用)

近年、心拍センサから感情を推定する、という取り組みの報告があります。心拍センサで取得した心拍間隔の変動から、”穏やか”や”イライラ”などの感情を推定します。このような感情を、VRゲーム内のアバターに反映することで、VR空間の中であっても感情を豊かにしながらゲームを楽しむことができるかもしれません。

緊張度の可視化(エンタータイメント応用)

ジェットコースターのアトラクションやホラー映画などで、緊張してドキドキした経験のある方も多いかと思います。アトラクションを楽しみ終わったあと、友人同士で「あそこは怖かった」「私は怖くなかった」などの会話も盛り上がることでしょう。VRの世界で”緊張するコンテンツ”を楽しんだあとに、心拍センサで取得した心拍の変化から、”緊張度”を推定・可視化することができます。口では「怖くなかった」と言ってもセンサから怖がっていたことが可視化されてしまうなど、楽しみ方が増えることでしょう。

運動負荷・疲労度の可視化(フィットネス応用)

新型コロナウィルスによる影響が収束しない中、自宅での”VRフィットネス”が注目されています。”VRフィットネス”は運動のモチベーションを高めるようなVR映像を表示することで、単調な運動を楽しいものにする仕組みです。生体センサで取得した心拍や加速度から、運動負荷や疲労度を推定し、運動負荷の増減や適切な休憩を促すことができます。将来的には、生体センサから取得した動きから、適切な動作ができているかを判定し、動作の助言ができるようになるかもしれません。 弊社ではサイクリングVR(https://vradvanced.jdi-vr.com/cycling-vr/)を取り扱っています。生体センシングとサイクリングVRを組み合わせるシステムの構築ができますので、ご興味がありましたらぜひご相談ください。

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